女子未来大学(主催:関西校)でのオンライン授業は、5月に続いて2回目。今回は、総勢29名の女性で開催しました!今回もオンラインならではということで、様々な地域から、そして子育て中の方にもご参加頂けました!
まずはチャット欄で各自、自己紹介をし合うところからスタート。前回のオンライン開催の経験を活かし、実際のトークだけでなく、チャット欄も大いに活用し、登壇者と参加者が交流できました!
女子未来大学の説明、今回の3名のゲストスピーカーの岡本栄理さん、豊田麻衣子さん、卜部幸恵さんの自己紹介、女子未来大学関西校代表青山雅子の自己紹介の後、トークセッションが始まりました。
<第一部> トークセッション
~これからの働き方・キャリアについて社会で活躍する「現役会社員の3名」に聞いてみよう!~
▼Question
・どのようなキャリアを積んでこられたのか?
・お仕事にやりがいを持てるようになったきっかけは?
株式会社オカムラ 岡本栄理さん(以下、栄理さん):この2つの質問をミックスさせながら回答させて頂きます。私が関学を卒業してオカムラを選んだきっかけからお話しします。私は本当に普通のそんじょそこらの大学生と言いますか、何の志もなくて、大学時代はひたすら遊んで過ごしました~みたいな人間だったんです。
就活に差し掛かった時にインテリアに興味があったので、大学時代の先輩に「インテリア系のどこかいい会社知っていますか?」と聞いたときに「オカムラ製作所(現、株式会社オカムラ)っていい会社だよ」という話を聞いて、名前だけを頼りにオカムラを受けたという感じです。
オカムラというのはオフィスの家具を売っている会社なので、大学生や一般の方はなかなか接する機会がないんですね。なのでどういう会社か全然知らない状態で入ったんですけど、そこから一番最初に携わった仕事が経理だったんですよ。いきなり管理部門にいって、経理って売り上げとか請求書を出して回収という処理をする部門なんですけど、全然会社のこともよくわかってないし、どういう風にうちの物が売れて、どういう風に世の中のお客さんに役に立っているのか、そういったところも全く理解していない状態で、ただただ毎日銀行に振り込まれてくる数字を処理するみたいなことをやっていました。その管理部門の部署が私語厳禁みたいなところで、私もともとキャラクターは全然変わってないんですけど、そういうところに押し込められたといったらちょっとおこがましいんですけど、入った結果全然おもしろくなくて、「なんなんやこのおもんない会社は」って思って、3年くらいで辞めようって最初は正直本気で思っていたくらいだったんですね。
そこから営業部署の方に異動になりまして、実際に営業のみなさんが日々物を販売しにいくお手伝いをするような仕事と、先ほどの経理を兼務でやっていたんですけど、その中で社内とはいえ人と関わる仕事が私はやっぱり好きなんだとめちゃくちゃ実感したんです!
この営業さんの為なら残業しても頑張れるとか、この支店を守りたいから一生懸命経理の部分も頑張るとか、他の人にモチベーションをもらって仕事をしてきたなという感じだったんですね。そのキャリアがずっと30歳くらいまで続いて、私的にはそろそろ仕事は効率よくできるようになったし、仕事をそれなりに定時で終わらせて、あとはプライベートの時間を楽しむ、そういうライフスタイルと想像をしていたんですけど、そこからまたちょっと転機がありました。
ある日突然社長に呼び出されて、支社長の秘書業務と、今私がやっているお外とうちの会社を繋いでいくようなオープンイノベーションを生み出すような仕事をしてほしいという、2つやったことのないキャリアをボーンと言われました。最初は本当にめちゃくちゃ戸惑ってて、秘書業務はまずやったことがないので、人のお世話をするいわゆる秘書さんというのを最初想像していたので、「あんなんなれるわけないわ」とすごい戸惑ったっというのと、秘書業務というのは基本的に社内に居ながら社長の代わりに予定を組んだりするような仕事なのに、一方ではお外と繋がる仕事をやりなさいと言われて、なんかその2つがめちゃくちゃ引っ張り合うというか、すごくタイムマネジメントが大変で、めちゃくちゃ苦労しました。今人前に立ってお話しをするようなコミュニティマネージャーという役職でやっているんですが、それはいわゆる人の前でしゃべったりとか、いろんな方にファシリテートをしています。でも本当にずっとバックオフィスの仕事をやってきた人間で、投影用のパワーポイント等の資料も全然作れないような人間が、急に前にひっぱり出されて司会をしなきゃいけないとかで、最初はすっごく辛かったんですよね。
今までの自分という概念からすると、全くできないだろうこの仕事というようなかなり斜め上のキャリアをやりなさいと言われて、どうしたもんかなと思いながらずっとやっていました。なんとなくそのときって誰かのマネをするというか、例えば東京とか名古屋で私みたいな活動がスタートしていたのですが、その東京の人たちのマネをしなきゃいけないとか、あんな感じにスマートにやらなきゃいけないみたいな思いがあって、ずっと司会の原稿も棒読みで読んで、アナウンサーみたいにしゃべらなきゃいけないみたいな感じだったんです。でもある時からそうじゃないよなと思えるようになって。自分がおもしろいとか、いかに自分の言葉で伝えられるかっていうのがすごく大事なんじゃないかっていうことに気付けるようになってからが仕事の転機で、めちゃくちゃ仕事がおもしろくなってきたという感じですね。
そこで、豊田麻衣子さんみたいなすごくおもしろい社外の人に出会って、ひとつの組織だけでは経験できないようないろんな観点を持つことができて、それが今となってはめちゃくちゃやりがいになっています。結婚してそこそこ仕事に力はかけたらいいって思ってたのが、今は仕事が楽しすぎてプライベートよりも仕事のほうが楽しいっていう感じにいっちゃって、まぁそんなこんなでまだ結婚してないっていうのはあります。
そういういろんな転機があったので、最初から仕事が楽しいとか毎日イキイキ仕事ができているとかそんな感じでは全然なくて、いろんな壁があったんですけど、そのとき周りにいてくれた社内の人がすごくよかったというのもあって、私は今後もやっぱりオカムラという看板を背負って働いていきたいなということはすごく感じております。
青山:転職を考えたことはなかったですか?
栄理さん:最初の3年目くらいまでは考えていました。(笑)でもそこから先は考えたことはないです。
青山:今日参加して頂いている方の中でも、どれだけ1社でキャリアを積んでいらっしゃる方がいるかわかりませんが、私も転職はしたことがなくて栄理さんと似ているなと思うところがあって、人と関わることが好きでなんとか乗り越えられたとか、周りの人に恵まれてなんとかできたかなっていうのは思ったりしますね。麻衣子さんと栄理さんはすごく仲がいいですけど、麻衣子さんから見て栄理さんの働きぶりについてはどう思いますか?
フジッコ株式会社 豊田麻衣子さん(以下、麻衣子さん):そうですね~、彼女と組む仕事の時ってだいたい仕事を丸投げされるので、それがちょっと快感というか。(笑)
栄理さん、青山:(爆笑)
麻衣子さん:役割を分担しているというか、彼女は多分場繋ぎをするんですけど、私は作ったり話したりする仕事のほうが得意なので、やっぱり得意なことを貫いたほうがうまくいくなという感じは掴みました。なんでもかんでも自分でやろうとはしないで、ぶん投げるということも学んだ感じはしますね。(笑)
栄理さん:スライド作成は全部麻衣子にぶん投げます。(笑)
青山:誰かに任せるってすごく大事なことだと思います。麻衣子さんはめっちゃひとりでやられるイメージがありますが、ぶん投げられている感じですか?自分が投げるってことはできたりしますか?
麻衣子さん:別にしなくても大丈夫なので、やらない。人のことをあんまり信用していないので。(笑)
青山:(笑)ありがとうございます。それでは続いて、さっちゃんに質問していきます。
▼Question
・30代からの転身で、どのようなことを気をつけたら良いのか、何をすれば良いのか?
・また、転職の際「好き」を仕事にするべきか、自分の能力で出来ることを選んで、それを好きになる努力をすべきか?
御堂筋税理士法人 卜部幸恵さん(以下、幸恵さん):まず最初の質問に関しては、私の場合は30歳でブランクがすごくあったというシチュエーションでした。
青山:しかも、シンママで子持ちみたいな。
幸恵さん:そうそう、本当にホギャーからちょっと幼児になりかけている時で結構大変だったんですけど、女性って出産に関わらず、旦那さんの転勤とか、あとはご両親の介護とかでやむを得ずキャリアから離れないといけないようなシチュエーションがどなたにも起こり得るのかなぁって思います。
青山:うーん、確かに・・・。
幸恵さん:私が自分で経験した中ですごく思ったのは、ブランクがすごく長いと社会復帰する心理的ハードルがめっちゃ高くなるんですよ。「ちゃんと週5日も働けるかな」とか、履歴書が通らないと「こんなブランクが多いのは求められてないよなぁ」とか、全然違う職種への転職とかだと中途は経験者という風になっちゃうので、「無理だよなぁ」とか思ったりすると思うんです。
私は自分で階段を用意していくっていうことで、それを少し克服できたのかなぁと思っています。例えば、ソニー生命で最初ブランク明けに働いたんですけど、そのソニー生命の秘書の仕事がすごくやりたい仕事ではなかったんですが、ここで立ち止まっているよりは少しでも動き出した方が絶対いいよなと思って、当時週3回で10時~16時で働けるという条件だったのでとりあえずこのチャンスを受けてみようという形で、一歩を踏み出したんですね。そうするとまたそこで新たな出会いがあって、私の場合はたまたま上司が非常に人脈の広いビジネスパーソンで、私の話を聞くにつれて「本当は何がしたいんだ」みたいな話もよく聞いてくれて、「人事がやりたいかなぁって思っています」というような話をしたら、今の経営者に繋げてくれたという経緯がありました。プランド・ハップンスタンスというか、自分が10年後にやりたいことを明確に描いて、そこからバックキャスティングして今やることを決めるっていうキャリアの描き方も素晴らしいですが、なんかそうできないケースっていろいろあるじゃないですか。
青山:めっちゃわかる。私も描きにくい・・・。
幸恵さん:やりたいことがまだ明確じゃないとか、自分の好きなことってまだよくわかんないってモヤモヤしている方っていると思うんですけど、そうするとこのバックキャスティングって言われるとすごく苦しくなっちゃうんですね。でも一方で、さっき言ったプランド・ハップンスタンスというか、目の前にあるものをやってみてそれが好きだとか嫌いだとか、そこで出会った人からまたご縁を繋いでもらい、キャリアを築きあげていくっていう方法もあるし、そこらへんは少し気楽にいけたらいいのかなぁって私は思っています。
もう一つは、30歳からの転身って年収が下がっちゃうっていうのが気になるところだと思いますが、私年収が下がることは全然いいじゃないって個人的には思っています。人生100年時代みたいなキーワードの中で、30歳も40歳もまだまだ若いじゃないですか?そこから新しいことをできるってすごくワクワクするし、いいなって思うんですよね。一時的に年収が下がったとしても、今まで自分がやってきたものってきっとあるはずで、それと新しく自分が身につけていくようなスキルって、掛け算していくと多分自分の希少性になっていくと思うんですよ。そういう希少性のポテンシャルみたいなのを考えると、一時的な年収ダウンなんて全然いいんじゃないかなって今私が考えていることですね。
二つ目の好きを仕事にすべきか、自分の能力で出来ることを選んで好きになる努力をすべきかというところですが、これは完全「好き」を仕事にしたらいいんじゃないでしょうか。いろんな仕事をしているうちに自分の能力ってどんどん広がっていくと思うから、今の自分の能力の中でやれる仕事を無理やり好きになるって結構苦しいんじゃないかなって思っていまして、私もいろいろ転職してきた経験がありますし職種も全然違うんですけどその中で思ったのは、やっぱりやってみないと自分がその業務が好きか嫌いかわからない!
青山:あー、そうですよね。
幸恵さん:ほんと、やってみないとわからないですよ。その時すごく大事なのは、自分がちょっとでもこの業務が好きだと思ったら、なぜ自分がその業務を好きなのかっていうのをセルフコーチングしていく、いろんな観点でみていくっていうのは非常に大事だなと思っています。
そして今私がやっている人事コンサルティングの仕事は右脳と左脳のバランスがいい仕事だなって思っているんですよ。例えば、経理の仕事みたいなのってすごい左脳よりの仕事じゃないですか。数字を扱ってロジックでガチガチやっていくという。人事もそういう側面があるんですよ。普段経営者の方とお話しをするので、経営戦略を人事戦略にぶち込んでいくみたいなところがすごくロジックだし、クリティカルに考えていかなくてはいけないんですけど、でも各論の話しで、じゃあどうやって従業員のモチベーションをあげていきましょうかとか、ビジョン・ミッション・バリューの策定のワークショップをやりましょうみたいな話って、すごくクリエイティブで右脳的な仕事なんです。左脳と右脳のバランスがいい仕事っていうのは、すごく楽しいなって今思っています。こういう観点って20代で仕事を見ていく中で持っていなかった観点だなって、今30代になって思っています。他にもいろいろ観点ってあると思います。その仕事をやって、その仕事の成果が出るまでの時間軸が長い仕事がいいのか、短い仕事がいいのかとか。人事とか特に成果がすぐに出ない仕事なので、多分すぐに成果が見たいっていう人にはあんまり合わないかなと思ったりもしますし。
いろんな観点で自分が好き嫌いっていうのをちゃんと自分で見ていくのは、結構大事なのかなと思っていまして、それを繰り返していくと自分の好きなことっていうのがわかってくるし、わかってくるとちゃんとそれをつかんでいけるのではないかと思っています。
青山:ありがとうございます。今麻衣子さんからもコメントを頂いているんですが、転職がらみで、最後の質問を一旦飛ばして麻衣子さんに質問してみたいです。
▼Question
・キャリアの「乗り換え」のきっかけについて
・キャリアチェンジをされた際に、“周囲の同年代の方をスキルの差”を感じることがあったとしたら、どのように乗り越えていかれたのか?
麻衣子さん:はい、まずキャリアの乗り換えのきっかけですが、最近よくよく考えたら2つあって、1つ目は前の組織の居心地が良くなりすぎたということ。
青山:えぇ~!!!??(驚)
麻衣子さん:もう1つが、もう少し頑張りたいと思ったんですよ。
青山:ほうほうほうほう・・・。
麻衣子さん:1つ目の居心地が良くなりすぎたっていうのは、階級が上になるにつれ、判断と決断をする仕事が多くなっていったというか。だんだん自分が頑張るのではなくて、部下に頑張らせるってことが多くなって、自分は見物の位置にいることが多くなった。自衛隊というのは、毎年毎年同じことをやって・・・準備が全ての組織でしたのでね。実際には現場の辛さとか弱さとかを、もう少し踏み込んで支えるっていうことがしたいのに、それができなくなっていったという。それが「居心地の良さ」です。
もう1つは、やっぱりもう少し頑張りたいって思ったんですよ。やっぱり階級が上になると、もうそんなに頑張らなくてよくなる。組織の限界を感じたりしてしまうわけで。そうすると自分自身の成長が見込めなくなってしまった。付き合うメンツもどんどん限られてきて、業者さんも私に頭を下げることが多くなるので、思い上がってしまうということは一切なかったんですが、ちょっとこれ以上この組織で成長はできないなという風に感じました。それがちょっと辞めてみようかなと思ったきっかけではあります。
青山:そうですよね。では、2つ目の質問の、キャリアチェンジを実際にされたら新しい職種に就くとスキルの差をどうしても感じたりするかと思うんですけど、それをどのように乗り越えていかれたのかについてはいかがですか?
麻衣子さん:周囲の同年代の方とスキル差っていうのは、どっちかっていうと思い上がりでも全くなく、今のフジッコでいうと私のほうが多分100万倍高かった。
青山:あ~~~なるほど!!!
麻衣子さん:なんていうんですかね?やっぱりスピード感をもってやるというのが自分の仕事のスタイルです。待っていたら部下は死にますからね。ところがフジッコではやることも決断も「早すぎる」とよく言われた。自分はめっちゃ早く走れるのに、速さを落として歩かなきゃいけないということにすごくジレンマを感じて、当初は特におじさんたちとよく衝突しました。なんでこんなことに時間をかけるんだろうとか、意思決定のスピードも遅いし、何もかもが腹立たしかった。だからそれを乗り越えることに結構時間がかかったというイメージがあります。
たまたま私は総務がとても好きで、総務のキャリアで採用されたはずなんですが、いざ入社してみたら、働き方改革、組織風土改革、企業理念を作る、社長といっしょに全国を行脚するみたいな、結構社内に様々な改革をぶちかましていかなきゃいけない仕事ばっかり与えられて、今もフジッコ中を旅している最中です。ですので、まだ完全には乗り越えてはないかもしれないです。(笑)
青山:あ~なるほどね。でもやっぱり全く違う業種でも、何か自分のここだけは負けない、それが麻衣子さんの場合はスピードかもしれませんが、誰しもがあるかもしれないですよね。
麻衣子さん:はい。さっきも申し上げたのですが、好きな仕事っていうのはすごく得意になると思います。私は民間にはいって働き方改革っていう言葉や女性活躍推進っていう言葉を、本当に初めて聞いたんです。「なんやねん、それ。知らんぞ」と。だけど任された仕事は好きになってやってみる。自分を騙しながら(その気にさせて)やってみたら結構はまった。与えられたし使命を乗り越えるためには自分に暗示をかけるのも必要なんじゃないかなと思いますね。
青山:あ~、そうですね。めっちゃわかります。ありがとうございます。
▼Question
・仕事と家庭をどのように両立しているか
青山:このご質問と同時に「小さい子どもを育てながら活躍するってすごい」というコメントを頂いていまして、仕事と家庭をどのように両立しているかっていうのを聞きたいと思うんですけど、さっちゃん流でどうですかね?
幸恵さん:私がうまく両立できているかわからないんですけど、この質問に対しては3つあると思っています。
1つは、できるだけアウトソースする。絶対自分じゃなきゃいけないもの以外は、結構一時的にお金がしんどいなって思っても、出しちゃってますね。自分がご機嫌にいられるための費用だと思って、外に出しちゃうっていうのが1つです。
もう1つは、会社にできるだけ掛け合ってみる。うちの会社も私が入った当時は、コロナの前でしたし在宅勤務という制度もなかったんですけど、そこでできないとか制度がないっていう不満を言っているんじゃなくて、これを導入しましょうっていう形で会社にプレゼンテーションをしてみるっていうことで、いろいろ制度を作ってきたという経緯があります。そのときに私がポイントと思っているのが、自分がその制度が欲しいみたいなお話しじゃなくて、会社経営にとってこういった制度を導入するのが非常に便利になりますっていう感じで、なんなら私が実験台になってみましょうか?くらいのスタンスでお話をすると、少し通りやすい。まぁ今のご時世もあるので通りやすいのかなって思います。
あと最後は、やっぱり自分の納得感が大事だと思うんですよ。
青山:具体的には?
幸恵さん:結構いろんな人がいろんなことを言ってくるじゃないですか。「子どもを保育園に預けられてかわいそう」とか言ってくるんですよ。私もちょっと自分の母親の話をすると、私の母親は専業主婦だったんです。もともとすごく子どもが好きで、感謝はしてるんですけど、でもずっと小さいときから「子どもはちゃんと自分で育てないとかわいそう」とか、「母親の代わりはどこにもいないけど仕事の代わりはいる」とか、そういうことをすごくインプットされて育ってたので、多分私の思考的にはキャリアとか仕事って楽しそうなだなって思っていたものの、そこの洗脳が抜けきれなかったという部分はあったんですよね。今振り返ると、だからデンソーを辞めたっていうところに繋がっているのかなって思う部分もあります。
ただ、私は20代後半にカナダに渡ったときに、非常にいろんな価値観に触れなければいけないとか、多様性を自分の中で受け入れていかなきゃいけないっていう状況に置かれました。その時からすごく心がけるようになったのは、物事をできるだけ縦軸と横軸で見るっていうことを大切にしているんですね。
この縦軸は、時間とか時代の軸です。例えば、子育てとか母親の関わりというトピックを時代の軸で見ると、実際に自分の母親が持っているような価値観ってそれこそ戦後のこの50~60年くらいで高度経済成長期に伴う性別役割分担で、男は猛烈サラリーマン、女は家で子育てみたいなところが、非常に政府を中心に推奨されてきたものなんですね。だからある種彼女がその価値観を持っているのは当たり前なんです。でもじゃあその前はどうだったんだろうと紐解いていくと、意外にみんなお百姓仕事で共働きで子どももたくさんいるから、実際に母親が子どもひとりにかけている時間ってそんなに多くなかったりするわけですよね。まぁ同じ哺乳類人化の人間だし、ちゃんとみんなまともに育ってきたんだってことを紐解いていくと、いろんなことがわかってくる。
横軸というのは、時代を2020年に戻したときに、今世界の人たちはこのことについてどのように考えているかという目線です。実際にいろんな諸外国の母親ってどうしているのかみていくと、共働きが当たり前の国もあるし、その国のお母さんたちは夜ご飯をどうやって作っているんだろうと思うと、カナダの母親もそうなんですが、みんなワンプレートにボーンって出してるんですよ。魚、ブロッコリー、ニンジン、はい終わり!みたいな。あとマッシュポテトでも添えて終わりっていう形で、非常に簡単に済ませていたりするんですよね。そういうところを見ていると、それでうまく回っていないかというときちんとうまく回っているし、子どももちゃんと育っているわけだし、そういったところで目線を縦に横に巡らせていくと、自分が非常にとらわれているところに気付けたりする。ちょっと2・3段高いところから俯瞰してみられるようになるので、自分はそれを知った上でどういうバランスがいいのかっていうのを自分に問いただしてやっていくと、自分の納得感も高いし、それだけいろいろ考えて出した答えだからということで、他人がいろいろジャッジとか意見を言ってくることに惑わされなくなるっていうところがあるので、私は自分の納得感が大事、それには縦軸と横軸で考えていくことが大事って、これに関わらず思っています。
青山:いいですよね。コメントでも頂いていますけど、縦軸横軸で考えるってすごくいいなって思いますし、納得感って大事だなって思います。ありがとうございます!
〜後編に続く〜
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