今回の授業は、21世紀を生きる女性達のためのレッスンクラブ「SHElikes(シーライクス)」と女性のためのコワーキングスペース「SHEworks(シーワークス)」を経営している中山 紗彩さんと福田 恵里さんをお迎えし、「女子未来大学」ファウンダーの猪熊真理子と駒崎クララとともに4人で、女子に支持されるコミュニティマネジメントをテーマにトークセッション形式で語ります。
<第一部> 今女性に支持されるコミュニティマネジメントとは?
猪熊:女子未来大学ファウンダーの猪熊と申します。本日はよろしくお願いします。まず、SHEさんのご紹介をお願いできますか。
福田:SHE株式会社取締役の福田と申します。我々SHE株式会社は総合役員2名で初めておりまして、代表取締役の中山と私福田で創業いたしました。
中山:SHE株式会社代表取締役の中山です。私は91年生まれで新卒でリクルートに入り新規事業を2年やっていました。その後1社、プログラムミングスクールのテックキャンプの取締役を1年やった後に、去年の4月に福田共にこのSHE株式会社を創業しております。 福田:私は関西出身で、元々は大阪大学でスペイン語を学んでいたんですけれども、サンフランシスコへ留学した時に現地のスタートアップだとかシリコンバレーの起業家の方々と知り合いになって、その時にITとかインターネットの世界ってなんて面白いんだって目覚めて。
帰国後、女性のIT企業ってすごく少ないなっていう風に感じて、初心者の女性の方でもデザインとかプログラミングとかを気軽に学べるようなスクールを作りたいなと思って立ち上げたのがデザインガールズというものです。
リクルートに入ってからも副業として活動を続けていたんですけれども、その中で中山と出会いまして、もっとデザインやプログラミングという狭い視点だけじゃなくってキャリアという広い視点で女性のサポートがしていけたらなという風に思って起業に至ったという背景になります。創業の背景を中山からお願いします。 中山:私自身大学時代から、軽く起業みたいなことをしていたので、やっぱり将来起業したいと思っていました。リクルートにいたときも新規事業やっていたんですけれど、周りの起業家の友達とか先輩のことをみて、なんか生温いなと感じつつでも自分のやりたい事業は特に見つからないような毎日を過ごしていました。リクルート辞めた後も、起業するぞって辞めたわけですけれども、なかなか思い切りがつかず、自分が命をかけてやりたいと思うような事業が見つからず、そこで1年プログラミングスクールに入るような決断をしました。
そんな中で福田に会って改めて自分たちが人生をかけてやりたいことってなんだろうっていう話をする中で、一人一人が自分しかない価値を発見して提供していける世の中を作るってことが自分たちのテーマだよねっていうとことが決まった瞬間、会社やるかと踏み切ることができています。
私たちプロダクトアウトで作っているというよりは、ビジョンをまず掲げて、ビジョンを達成するために必要な課題を全てやっていこうというような趣向で事業を作っています。現状でやっている事業が女性向けのサービスなんですけれど、中長期的に考えたら、女性っていう領域に絞るっていうことを現状決めているわけではなく、世の中の人たちがどういうビジョンを達成して生きられるのかという課題解決を長年かけてやっていきたいなという思いで会社経営をしております。 福田:このビジョンを達成するために3つ事業をしておりまして、プロセスとしては「好き」を見つけて、見つけた「好き」を深掘って、最終的に「好き」を仕事にすることをサポートするために一つ一つ事業を作っています。
まず1つ目の「見つける」というところなんですけれども、コミュニティの中で20代、30代の方とお話ししていると、そもそも好きなことがわからなくてとかやりたいこととかがまだ見つかってないんですっていう方がたくさんいらっしゃって、そういう顕在化していないニーズに対してサポートしてあげるっていうところでSHE likesというものを作りました。これは、毎月20、30個あるレッスンの中から好きなものをカスタマイズしていただけるというところがポイントで、キャリアスクールでもない習い事スクールでもない、ちょうど微妙なところをやっています。
例えばキャリア系だったら、私が教えているWebデザインだったり、中山は広報とかPRが強いのでそういうところだったり、ライティング、マーケティングというお仕事に直結するようなレッスンだったりもありますし、それだけではなくて女性ってライフもキャリアも両方充実していかないと納得した人生送れないよねというところでカメラとか休日をちょっと素敵にするようなレッスンも揃えております。あとはコミュニティ、各方面で活躍されている方と出会えるというのをポイントとしています。 次のステップとして、SHE lovesというのを用意してまして、これは2ヶ月の本気集中コースで、女性起業家コースとウェブクリエイターコースで6月からライターコース 広報、PR、ロゴ制作という形でレッスンラインナップがあります。ここはファイナンスだったり資金調達の仕方を学んでいきますし、ウェブクリエイターコースだったら自分で1からウェブ制作もできるようになるっていうところを目標にしております。 最後に「好き」を仕事にしていくSHE worksなんですけれども、これはコワーキングスペースの提供になります。SHEの会員様ですと、月3500円という価格で、場所を使っていただけるというのがポイントなんですけれども、そこだけではなくてソフトの面、先ほどの2ヶ月コースを学んですぐフリーランスで仕事が取れるのかっていうとそうではないと思うんですよね。なので、継続的にサポートしていくような制度を設けてあります。私たちもこの3つの事業を最初からしようと言っていたのではなくて、色々周りの声を聞いてチューニングしながらやってきております。
基本的に我々は有料広告とかは打っていなくて、口コミとSNSだけで多少広まってくれたかなと思ってまして、SHE likesっていうハッシュタグがツイッターで1位をとったり。あとはアライアンスとかもやっていまして、大手の方と組ませていただいてレッスンをさせていただいております。先日やっと1周年を迎えまして、資金調達を発表いたしました。6月に一軒家を借りまして、こちらでまた新しく心機一転で始めさせていただくことになりましたので、ぜひ遊びにいらしてください。長くなりましたが、SHEの紹介とさせていただきます。ありがとうございました。 猪熊:ありがとうございます。なんでコミュニティを切り口にしたかというお話を先にさせいただきたいんですけれども、女子未来大学でコミュニティの授業をするのが3回目なんです。今まで過去2回はメディア×コミュニティだったんですね。コミュニティっていう言葉が使われるシーンっていろんなところであるなと思っていて、女性起業家ってここ数年ですごく増えています。
増えている中で、例えばサロン経営をしていると、今まではサロンのサービスとお客様っていう関係をサロンをコミュニティ化して、自分をセルフブランディングしてファンをコミュニティ化したりとか、さらにコミュニティを活性化させることで単純にサービスを提供するだけじゃないあり方っていうのが出てきて、コミュニティっていう言葉の捉えられ方が変わってきているなと思っていて今回これをテーマにしました。
「3rd place 3rd community」 自分らしさを取り戻せる場所
猪熊:インタラクティブなセッションに入る前に女子未来大学からも少しインプットなんですけれども、女性に支持させるためのコミュニティを作るために工夫していることって幾つかあります。これは私たちが3年間試行錯誤して考えたことで大きく3つあって、「コンテンツ企画の工夫」と「集客の工夫」と「運営の工夫」というのがあります。この3つを意識し、進化させながら今までコミュニティ運営をしています。 「コンテンツ企画」っていうところでいうと、一番私たちが意識しているのは女性たちの学びたいものの半歩先を考えるということです。大多数のマジョリティーの女性たちのニーズの中で何を学びたいと思っているかっていうのは常にアンテナを立てているんですね。ただ本質的にこういう学びを提供したいっていうのをそのままぶつけると集客に失敗するんですよ。だからできるだけ、入口をライトにちょっとワクワクして、敷居の高い感じではないようにして来てもらうっていうことをしています。あと外部ゲストとのウィンウィンなコンテンツ企画、今回だったらSHE likesを知っていただいて、お客様として行っていただくというのは私たちが望んでいることで、お互いにとってウィンウィンになるような授業をしています。 最後は「見えるお土産、見えないお土産」っていうことで、例えばワークでワークシートを持って帰って良いよっていうケースもあります。それは見えるお土産ですね。見えないお土産っていうのは学びです。授業をキュレーションする時のシートがあるんですけれども、この授業によって、どういうお土産を参加者の皆様に持って帰っていただくかというのを書くことにしています。学びって結構インプットとアウトプットの繰り返しだと思うんですけれども、どういうインを入れて、どう関わってもらってどうアウトしてもらいたいかというのを考えてコンテンツの企画を設計しています。
「集客の工夫」のところでいうと、うちも口コミ集客しかやってきていないんですね。その中で授業のネーミングとかビジュアルとかは女性が好きそうなものを強く意識します。ほとんどがFacebookとPeatixの集客で、早割チケットというのを設けています。最初の10名は500円くらい安い。早割チケットを作ると最初に山ができて、途中ダレるんですけれども、最後ギリギリできた人たちが埋めてくれるので、早割チケットをやっています。
最後、「運営の工夫」でいうと、マニュアル化、仕組み化しています。女子未来大学の理念だとか、やりたいことに共感してくれた人がスタッフになってくれているので、運営の基盤になっています。 企画とかコンテンツ企画というのが私たちの資産なんですね、強みなので、プロモーションができる企業とのコラボはいくつかさせていただいております。ただプロモーションだけが目的で女性に対してサービスを売りつけたいっていう授業は絶対にやらないって決めています。学びの中にこういう商品の紹介があると違和感なく女性たちも嬉しいよねっていう企業だけをこだわってやっています。
あとは、授業の書き起しレポートを作るっていうところで、授業で話されていることのほとんどを全部載せているんですね。東京なので、日本全国の方で参加いただけなかったり、お子様がいて参加できない方に少しでも学びのエッセンスを共有していくということでレポートを公開しています。
最後、3年間やってきて私たちの中で生まれてきた思いなんですけれども、「3rd place 3rd community」というのを大切にしていて、例えば1つめが今いる自分の場所、家とか家族、2つ目が働いている場所とかそういうセカンドプレイスがあって、サードプレイスは自分らしさを取り戻せる場所だなと思っています。女子未来大学もそういう位置付けにしています。何が重要かっていうと家族とか親友とかに自分で人生でどうしたいとかキャリアで悩んでるとかって全部をさらけ出すのって恥ずかしいとかないですか。そこに全部弱音を開示できないっていう女性がたくさんいて、第三者ではじめましてで出会った人でそういう場所を与えられたからこそ、本音を吐き出せるというのがあって、そういう心の居場所っていうのを位置付けています。
新しい仲間との出会いと学び
中山:私たちの中でも来てくださった方への提供価値2つを大きくおいていて、「新しい学び」と「新しい仲間づくり」と打ち出しています。ただ初期の頃は、やっぱり自分たちとして人生を変える契機になるのは「新しい仲間づくり」という風に考えていたので、それを打ち出した新しい女性のためのソーシャルクラブという形で打ち出したところ、まだ日本の方々の認識だとか意識というものがそこに追いついていないというところに気づいて、まだ日本ではそこを打ち出すよりは、まずフロントには新しい学びを選べる場所というところを打ち出して、裏には新しい学びと新しい仲間づくりというような2つの提供価値を置く方が良いんだろうという結論に至りました。 福田:さっきのところで補足すると、仲間との出会いというのをコアコンピタンスとしておいていると言ったんですけれども、SHEの会員様になっていただいて、本当に転職したとか人生変わりましたとか言ってくださった方っていうのは、もちろん学びの部分もありますが、人との出会いというのが一番大きいとおっしゃってくださる方が多くて、それこそ社会人になると、学生時代の友達か会社の同僚くらいしか一緒に関わる人って少ないなと思っていて、学生時代の友達に会って何を話すかというと、彼氏のことと旅行のこと、趣味のことという感じであまり生産的に自分の夢に向かって何かを話すっていう機会って少なくなっているなと感じているんですけれども、SHEに来てくださる方って向上意欲とか自分は将来こうしたいんだよねという熱い思いを持った方がたくさんいらっしゃるので。
その話をする上で、相乗効果で人の繋がりが生まれていって、人生を良い方向に変えていっている人が多いなと印象なので、やっぱり人っていうところが結論一番大きな要因になってくるのかなといつもコミュニティ運営をしていて感じます。
「ゆるふわスパルタ」なコミュニティ作り
福田:コミュニティをマネジメントする際に気をつけていることは、女性限定でコミュニティということで安心感だったり、ここにいるとなんでも話せるというそういう雰囲気を作りたいということで土足厳禁にしています。家のような感覚でカーペットとかに寝転びがら仕事ができるような空間にしていて、すごく心理的障壁を下げるのに機能しているなと思っています。
運営側と参加者側の距離というのがコミュニティのエンゲージメントを高めていくのに重要だなと思っていて、運営、参加者と線を引くのではなくて、全員がフォローフォロワー型のピラミッド型の構図ではなく、球体型のコミュニティーとして相互に学びあったりできるコミュニティ作りを心がけているので、フラットに会員様とはタメ口で話すこともありますし、来ていただいた時に些細な変化を口に出して伝えてあげることで、この人は私のことをきちんと見てくれているとか、この人とは友達になれそうだなくらいの親近感を感じてもらうということがマネジメントというか一緒にコミュニティを作って上ですごく大事なことだなと思っています。 駒崎:客室乗務員をしている時に何かをしたいなと思った時の背中を押してもらう仲間ってすごく大事だったなと思っていて、例えば「私こういうことやりたいんだよね」って話をしたときに、「あーそれ難しいと思うよ。だってこういうことでこういうことがダメじゃん」みたいに言われるよりは、「それいいね。こういう風にしたらもしかしたらできるかもしれないし、こういう友達いるから紹介するね」って言われた方が、断然私が前に進めたんですね。
私自身もどういうことを今後していきたいかということを25歳くらいから4年くらいずっと悩んでいたんですけれども、その時に前向きな言葉をもらうってとても嬉しいし、寄り添ってもらえるというのがすごく嬉しかったので、私自身がコミュニティを作ることがあったとしたら、寄り添えるようなコミュニティにしたいなと思っていた時に、猪熊と会って、女子未来大学の構想を1年考えた時に私たちが教えるとかそういうのではなくて、一緒に寄り添って、悩みを聞きながら一緒に行きたい方向ってどっちだろうねとか考えられる場ができたら良いねっていうのが3人で共感できたんですよ。それで女子未来大学というのが同じ共感の上でスタートしたなと思っていて。
私自身の会社の客室乗務員の方のコミュニティも同じようなコミュニティでありたいと思っていて、最低限のルールみたいなものを決めていて、「愚痴を言わない」、愚痴を言うのであればそれを最終的に提案に変えるようにみんなで話し合おうと言う風にしていたりだとか、あとは所属していることを自分の航空会社に知られたくないという人もいるので、聞いたことは絶対秘密にしましょうねとかこのコミュニティの中で悲しいことがあまり起きないようにしています。
福田:私がコミュニティ作りで持っているモットーが「ゆるふわスパルタ」なんですね。本当にこれに尽きるなと思っていて、ゆるふわで障壁下げて楽しそうって寄って来させて、実は中身めちゃくちゃ実があって、内容が濃いみたいなことがあると皆さんそのギャップに満足度感じてくださったりとかまた来たいと思ってくださったりするので、基本女性のコミュニティは「ゆるふわスパルタ」でいくのが良いかなと思っています。
女性たちの共感や所属意識を大事にすること
福田:所属意識のところで言うと、セミナー形式ってインプットだけになりがちな部分があるなと思っていて、我々はいつもチェックインの時間というか、最初に参加者の方々に自己紹介してもらうんですね。なんで今日ここに来たのかとか、レッスンで学びたいことっていうのを発信してもらって、その後に今日の感想を一人一人言ってもらっているんですけれども、自分自身の理解だったりとか、私こんなこと思ってたんだという気づきの場になるなと思っていて。
私もイベントとか行くんですけれどもメモを取ることが目的になって、昨日イベント行ったけど何学んだかなみたいな感じで終わっちゃうこともあるので、記憶の定着とか理解力の向上というのでアウトプットの部分が大事だなと思っています。その講座へのエンゲージメントだけじゃなくてSHEという場を好きになってもらうために毎月無料で交流会というのをしています。その時にSHEをもっと良くするにはどうしたら良いですかねというのを結構フラットに意見として募って聞くんですね。
実は私ユーザーとしてこう思っていたんですとか、こうしたらもっと良くなると思うんですっていうのをいただいて、それを反映したりすると参加者の方々も嬉しいし、コミュニティの成長に寄与したんだと思っていただいてもっと愛していただけるかなというのを何度か繰り返して感じているので、そこが所属意識を高めていくポイントですかね。 駒崎:うちの会社で気をつけている事は、その子の本当に何がしたいかというWANTSをずっと聞くっていうことを徹底していて、そのWANTSに対して私たちが何ができるかというのをずっと考えてるんですよ。
例えば、彼女はデザインとか何かセンスを目に見えるものにするのがすごく得意なので、じゃあオフィスのデザインの仕事をうちの会社で請け負わせてくれませんかって言って、全部のリーダーを彼女にしてもらうとかCAをしながらそういうことをしてもらっています。ここにくれば自分の才能を伸ばしてくれるかもしれないと思って、みんなが来てくれるんですよ。来た子に対してWANTSを聞くというのをずっと繰り返してます。
猪熊:本当にいろんなやり方があるなと思っていて、いろんな女性コミュニティのリーダーの方と会ったりするんですけれども、私たちはコミュニティの中ですごく大事にしているのが、自由意志なんですよ。参加者の皆さんがどうされたいのかの自由意志がすごい大事で、どう反応するかに対しては全て委ねるっていうスタンスなんですけれども、そこがフラストレーションを生んだりとかコミュニティの本当の価値を小さくしてしまっているようなこともあるなと思うこともあるので、共感とかエンゲージメントを高めるっていうのは一筋縄ではいかなくて、時間もかかることだと思うんですけれども、自然とできて来るということが一番サステナブルに継続的に続く形なのかなという風に思ってたりします。
女性の幸福の総量が最大化していくこと
猪熊:ここからは皆さんから頂いたご質問にお答えします。
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質問:コミュニティを運営していて苦労したことや大変なことはありますか。
福田:失敗談でいうと、講師の方とのリレーションシップの部分かなと思っていまして、30個運営するのに基本私一人でやっているんですね。一人一人の講師の方に密にコミュニケーションを取るというのがちょっと難しい時期があって、それを外部の方で言ってくださる機会があって、それを私の中で重く受けて止めて、そこからは講師の方にはサプライズでお返しするというか。
ちょっとした気持ちの贈り物をお渡ししたりとか、お菓子をお渡ししたりとかそうするだけでも講師の方も大切にされてるなと感じてもらえると思うので、なぜあなたに依頼したのかというところを講師の方に伝えるのとちょっとしたサプライズを用意してあげるのが必要かなと思いました。
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質問:今後運営されている事業をどう展開していきたいと考えていますか。10年20年続けたとしたらどうなりたいですか。 福田:関西出身なので、地方と東京との情報格差を感じています。サンフランシスコに行って起業家の人たちに会って、東京出て来てスタートアップの人に会って感銘を受けて、私もそこに携わりたいという思いがあったので、地方だったりとか海外の人たちにもっと事業を広めていって人生に納得感を持てる人を増やしていきたいなと思っているので、5年とかで全国と海外へ拡大していきたいなと思います。 猪熊:女性未来大学の未来は、一番遠いゴールは女子未来大学がなくなることを目指しています。それはどういうことかというと私たちみたいな機会がなくても、全ての人が学べて人生の大切なことを日常生活の中から学べたら、わざわざこういう学びの機会を提供する必要がなくなる。自分たちはコミュニティに繋がれるし、作ることだってできるっていう女性たちが多くなれば、私たちはいらなくなるっていうのが最終的に目指しているゴールなんですね。なんですけど、それってすごく遠いし葛藤のあることなんで、女性の幸福の総量が最大化していくことがゴールです。
一方で追い風の部分もあって、リカレント教育で社会人向けの場とか女性の学び直しの支援として国家が予算を取っていたりだとか。沖縄で女子未来大学をやったんですけれども、地方でのニーズっていうのを結構感じていて、泣きながら喜んでくださる方っているんですね。自分たちに学びの機会もないし、サードプレイスみたいなコミュニティの場がなくて、地域の中で目線が近いので誰かが飛び抜けるとものすごく叩かれてしまう。
だから第三者的なサードプレイスが必要でこういう場が欲しかったっていう方もいらっしゃったりして、地方での開催を地域のコミュニティの女性がうまくコンテンツを作りながら協力してやりたいなという思いはあります。
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